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『英雄の条件』 レビュー(感想)

ポスター画像出典:『ヤフー映画』 

レビュー

『英雄の条件』。原題の「Rules of Engagement」は『交戦規定』という意味である。その意味は、軍隊がいつ、どこで、いかなる相手に、どのような武器を使用するかを定めた基準のことだ。つまりこの映画は、登場する人物(サミュエル・L・ジャクソン)が軍法会議にかけられ、戦争(デモ事件)における対応の仕方が本当に適切だったかどうか、ということを考える作品である。

 

それゆえ、軸は裁判となる。裁判で、『どういう理由で、何があって、誰がどのような規範意識で行動し、誰が正しいのか』ということを決めていく。その都度状況を振り返りながら、全員でその旨を考えていく。

 

ギリギリの綱渡りでもある。一歩間違えれば『越権的な殺人』であり、一歩間違えれば『戦争の英雄』である。人が死ぬ。だがそれが味方か、敵か、やるべき相手だったか、テロリストだったか。いや、実際はどちらにせよ戦争が起きた場所に、勝者も敗者もなく、誰かが正しいという一方的な結論を出せば、穿った現実が映し出されるだろう。だから評論家やアメリカ・アラブ反差別委員会は、この映画に対して

 

「おそらく、これまでのハリウッドの作品で最もアラブ人に対して差別的な作品」

 

というしかなかったのだろう。


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